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冬季の運転
レポート

ポーランドのワルシャワにお住まいの勝瞬之介さんが主催する個人HP「ワルシャワの風」の掲示板に、あるドイツ駐在経験者より興味深い記事が投稿されていたので、筆者のご了解の上、メーリングリストで紹介させていただきました。


「冬を生き延びる」

…ドイツのベルリンおよび旧東ドイツ地域での「厳冬期の運転の心得」をば少々思い出しました。

1)着任したのが12月中旬で既に雪が積もっていましたし、前任者がむちゃくちゃな奴で、テーゲル空港でピックアップしてくれたのは良いのですが、東ドイツ側のアウトバーンに入った途端、私に運転しろ!と言うのです。
日本でも年間5000キロぐらいしか乗っていないペーパー・ドライバーが、突然ベンツで120キロ以上のスピードで滑り易い高速道路をすっ飛ばすのですから、もう命懸けでした。

2)タイヤは一応『冬仕様』に換えてあって、スタッドでもないが、トレッド(タイヤ溝)がちょっと深い程度でしたから、アイス・バーンではスタートが出来ないし、急ブレーキはご法度でした。
とくにヨーロッパ特有の石畳(丸い石を路面に敷き詰めた)の道では、例え雪・氷が無くとも、ちょっとした湿り気程度でもつるつる滑る最悪の路面 状態です。
高速道路の走行や、この石畳があるので、タイヤ・チェーンは使えないと言われていました。

3)街中でも降り積もった雪を除雪車で道端に寄せた後、人手等できちんと積もった雪を取り除いておかないと、ちょっとしたマウンドとなります。
このマウンドはかちんこちんに凍結して、駐車の際に乗り上げると大変なことになって、いわゆる車の底付きになるので、いざ発車しようとしてもタイヤが浮いて空回りして、単独では駐車場所から脱出ができなくなります。
ベンツは車体重量が重いので、やわらかい雪が積もった場合は、タイヤのグリップも良く利いてよいのですが、硬く凍結した雪・氷ではなす術がありません。通 りかかった人にうしろから押してもらったことが何度もありました。

4)当時は日本人駐在員が2年に一人、厳しい時は毎年平均一人は冬場に交通 事故で亡くなっていましたし、吹雪の中でエンストしたり、路肩を外れて転落事故を起こしたりすると、車の暖房が切れてしまい『凍死の危険』が現実の問題となります。
そんなことを想定して、暖房が効いた車内と建物内での活動で不要な筈の分厚い防寒着が、冬の遠出のドライブには不可欠でした。

5)三度の厳冬期を乗り切ったのは、性格が臆病で、けっして無理なスピードを出したり、急ブレーキを踏まないようにしていたからだと思います。
それでも、ちょっとした弾みでスケートのように滑り出した車が、見るみる対抗車に向かって滑っていく恐怖は、ちょっと形容のしようがないものでした。
もうパ二ックで、頭の中が真っ白になりました。

6)もう一つ注意が必要なことがあります。
路上駐車をしていると、不注意でスリップした車がぶつかってくることがあります。
善意の人は、フロント・グラスのワイパー等に保険会社や自分の連絡先を書いたメモを残してくれますが、そんな紳士淑女ばかりは期待できませんから、戻ってみたらテール・ランプが割れたり、ドアが大きくへこんでいるなんてことが頻繁に起こります。

7)冬仕様のタイヤは、春になるとタイヤ専門販売店が保管してくれて、雪が降り始める11月頃に、 履いていたノーマル・タイヤと引換に、冬仕様のタイヤを大きな倉庫から引っ張り出してきてバランス・チェックをしてから取り付けてくれるのですが、雪が降った直後の休日はタイヤ屋に集中するので、2時間以上は待たされました。

8)公的交通機関が充実している地域なら、外出の際はできるかぎりそれを利用して、厳冬期の交通 事故に遭う確率を下げるようにしたいものですが、ついつい車を運転して出掛けることになってしまう冬を生き延びて下さい。





しばらくして、以下のような体験談が寄せられました。


レポーターAさん

有名なニュルンベルクのクリスマス市に行こうとしたのですが、
うちからニュルンベルクまで400kmほどあると思うのですが、ちょうど半分くらいのところでストップしてしまいました。
もちろんアウトバーンでです!
初めは私が運転していて、夫に替わり、しばらく走ったら計器の表示がおかしくなったのですぐパーキングに止めてチャックしたんです。
で、エンジンをかけようと思ったら、、、かかりませんでした。
「ああー、ニュルンのクリスマス市…」と悲しくなったのですが、そんなこと言ってる場合ではないので、とりあえず夫がパーキングにあるSOS電話から連絡をし、私は車内で子供の世話をということになりました。

そして、この時「冬を生き延びる」がとーーーってもそして早速役に立ちました。
あれを読んでいたので車内に多めに毛布を積んでいたんです。
日が暮れて来てかなり冷え込んだので本当に助かりました。

SOS電話で連絡してから45分後くらいにレッカー車がきてくれて、どうも電気系の故障らしいということが分かり、車&人間をレッカー移動。

近くの修理工場で見てもらったのですが、運が悪いことに金曜の夕方だったため
すぐには直らないと言われてしまいました。
日本だったらすぐにやってくれそうですよね。
修理完了は恐らく月曜の午後ということだったので、うちに帰るにしても旅を続けるにしても車が必要なのでレンタカーの手配をしました。
もちろんマニュアル…

夫と少々相談したのですが、ここで引き返すのはあまりにもくやしいということになり、そのままニュルン方面 へ向かうことにしました。
その日の宿はビュルツブルクとニュルンのちょうど中間くらいにある古城ホテルを予約していたので、余計にそういう気持ちになったのかもしれません。

しばらくは夫のみが運転し、次の日ホテルを出る前に私が少しだけ運転してみました。
マニュアルなんて本当に何年ぶりだろうと思うくらい運転してなかったのですが、
少しは体が覚えていたようで想像したよりもましでした。
前日のごたごたで大変疲れていたので、そのホテルにもう一泊し、翌日ニュルンに向かいました。

この古城ホテル、キッチン付きで子連れの私たちにはとっても快適でした!
キッチン付きということで料理しようかなと思ったんですが、調味料(醤油とかお酒)を持っていくのは大変だなと思い、作ったものを鍋ごと持っていって暖めて食べました。
車のアクシデントがあったので、逆にこうしておいてよかったです。
絶対に料理する元気はなかったので。

ニュルンのクリスマス市を満喫した後の帰り道、私が本格的に運転したのですが、
なにせマニュアルになれていないもんですから、5速から4速に落とすところで2速にいれてしまったりして大変でした。
「ぎゃ〜」という悲鳴が何回車内に鳴り響いたかわかりません。

お蔭様で車も修理され、今は元の生活に戻っています。
なんといっても(交通)事故につながらなくてよかったと思っています。
アウトバーンでマニュアル車を運転するなんて夢にも思っていませんでした。
そしてレッカー車のお世話になるとは!

これから冷え込みもさらに厳しくなると思います。
みなさんもどうぞお気を付けください。





 

 

 

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